こんばんは、おにぎり成です。
最近、傷付きそうな予感がすると自己防衛本能から、すぐに逃げたくなります。
台所の砂糖入れの中に蟻が数匹入っていた。数日前にも蟻が入っていたので、砂糖と共に蟻を葬って、古くなった砂糖入れもそのまま捨てた。
父が新しい砂糖入れを買ってきたので「これでもう大丈夫だ」と二人してワハハと笑ったが、しかし昨日、砂糖入れを開けるとまたしても蟻が数匹入っていた。
「また蟻が入っていたぞ」と父に言うと、父は「蟻がもうこの場所を覚えてるんだなあ。ここに良いものがあるぞって仲間に教えたんだよ」と言っていた。その時、
「あそこに美味しい食べ物があったんだ!行こう!」
「でも人間の巣は怖いよ…」
「大丈夫さ!この前も行ったんだ!行こうよ!」
「うん…じゃあ行こうかな」
「よーし、みんなで冒険だ!」
という蟻達の楽しげなやり取りが頭に浮かんだ。そう考えると心が痛いが、そういえば明日忘れずに蟻の巣コロリ買いに行かないと。
今日は仕事が休みだったが、一日中、いや昨晩から私の気持ちは落ち着かなかった。昨晩トイレが故障したので業者さんが今日の夕方頃に見に来てくれるということになっていたのだ。
早急なご対応に感謝すると同時に「知らない人が家に入る」ということに対して強烈な抵抗感が私を支配した。知らない人の家に入る方も緊張すると思うが、入られる方も緊張するのだ。しかも父は泊まり込みの仕事でいない。余計に憂鬱だ。
業者さんが修理してくれている間も私はどうしていればいいのか悩んで、リビングをクイックルワイパー片手にそわそわと歩き回っていた。
近くにいても修理しにくいと思うし、遠くにいても何かあったときに受け答えできない。テレビはつけていいのか?しかし無音の空間は気まずい気がする。
そんなことを悶々と考えながら、私は結局テレビをつけて、Amazonプライムで「結婚できない男」を控えめな音量で視聴することにした。今思えば「なんで結婚できない男?」という感じだが、阿部寛さんの堂々たるふてぶてしい振る舞いを見ていると何となく落ち着いた。
修理はスムーズに終わり、業者さんもテキパキと帰られて、私はやっと一息ついた。今日一日この時のために生きていた気がする。
なんでこんなに小心者なのか…。
疲れます。ではまた。