米粒のような独り言

アラサーオタク女性の独り言です。文章とお絵描きが好きです。おにぎりボウズくんというオリジナルキャラクターを描いて楽しんでいます。※無断転載などご遠慮ください。

深淵から手をのばす

こんばんは、おにぎり成です。

寝不足です。

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昨日、ノンストップに流れていた社歌のせいで若干体が怠い。腫れぼったい瞼は全身の疲労を表すように、悲しくなるほど浮腫んでいる。

今日も今日とて流れる社歌を聴きながら「仕事を辞めてここではないどこかへ行きたい」と切実に願っていた。

 

我慢できなくなった社員のひとりが携帯でサザンオールスターズを流し始めた。その歌は社歌を描き消すほどの音量ではないので、私は前方から流れる社歌と、左隣から流れるサザンオールスターズに挟まれる形となった。これはこれで苦痛である。

これほどまでに呆気なく平穏な日々は崩れ去っていくのか。たかだかアホらしい歌のせいで、私はストレス性の頭痛に悩まされることになるのか。

 

そんな私を見かねて、仲が良い子がCDプレイヤーを音が聴こえにくいところに移動してくれた。

彼女が言うには、社歌があるということを知っている業者さんが「せっかく作ったんだから玄関で流せば宣伝になるでしょ」と、社長夫人に話したことがきっかけらしい。

その業者さんを事務所に呼び出してこの苦痛を共有させてあげたい。お前のせいだぞ。

 

もう全員が限界だった。狂いそうだった。私は黙っていつも通りラジオを流した。流行りの歌から懐かしい歌まで、ランダムに流してくれるラジオのおかげで、私たちの席には社歌が届かなくなった。

日常が戻ってきた安堵感から、まるで温泉に浸かったときのように、腹の底から思い切り息を吐いた。「はあ~」という深い溜め息に仲が良い子がくすりと笑った。

 

うっすらと聴こえる社歌を無視して私たちは仕事に戻った。愛社精神とか知らん。社員のストレスマネジメントぐらいしっかりしろ。

明日も社歌は流れるが、こちらはラジオで社歌を葬る。この日記を読んでくれた方、応援よろしくお願いします。

ではまた。

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