米粒のような独り言

アラサーオタク女性の独り言です。文章とお絵描きが好きです。おにぎりボウズくんというオリジナルキャラクターを描いて楽しんでいます。※無断転載などご遠慮ください。

旅行記その4

こんばんは、おにぎり成です。
旅行記その4です。
怖い話が苦手な人ちょっと注意です。

フロントでチェックインを済ませて、4階にある部屋まで向かった。
旅館なのかホテルなのかよくわからないが、思ったよりも大きな建物で、私はなんだかソワソワして落ち着かなかった。部屋に入ってもその印象は変わらない。
薄暗い和室に錆びた洗面器があるユニットバス。
部屋は握り玉ドアノブにボタンがついていて、そのボタンを押しながらドアを閉めると鍵がかかるという仕組みになっていた。室外側からドアを開けるときは鍵を使って開けるが、室内側から開けるときはドアノブを回すとロックが外れる。部屋の鍵が開いているのか閉まっているのか分かりにくい。
部屋の片隅に置いてある金庫には「盗難注意」と書かれた紙が張ってある。一気に物騒な空気になった。部屋の鍵も簡易的なので余計に怖い。

「まあ安い旅館だし、温泉もあるから良いか」と気持ちを持ち直してさっそく温泉に入ることにした。温泉には誰もいなくて貸切状態でホッとした。

脱衣所にはまたしても「盗難被害が増えています。貴重品はロッカーに入れてください。被害があっても当旅館は責任を負いません」的な張り紙があった。
どこの旅館や温泉にも張ってある注意書きではあるが、この旅館に関しては「本当に気を付けないと」という不安感を与えられる。つまり落ち着かない。

温泉は色々な種類のシャンプーとリンスが置いてあって、サービス精神を感じられて良かった。
満足げに汗をかいた身体を入念に洗っていると、ご高齢の女性がサッと入ってきて、サッと湯船に浸かって、サッと出ていった。5分も滞在していなかったと思う。
「本当に温泉に入りに来たのか…?」という疑念とともに「盗難注意」の張り紙を思い出して「まさか私の荷物を狙って…!?」と、めちゃくちゃ失礼なことを考えてしまった。
盗れそうなヤツか下見に来たのでは…?という失礼極まりない疑念を抱いてしまって、落ち着かなくてすぐに温泉を出た。

あの女性が悪いわけではない。普段から物騒な映画を観すぎている私が悪いのだ。

温泉を出ると夕飯の時間になったので、部屋に着替えを置いて案内されたバイキング会場に向かった。
思った以上に客で溢れ返っている会場に、ソワソワしながらごはんを取りに行った。やはり落ち着かないのでササッと食べてすぐに部屋に戻った。

部屋に戻ると疲れがどっと押し寄せてきて、まだ21時前だというのに、気絶するようにすぐに眠ってしまった。目覚めると0時だったので、部屋の電気を消してもう一度眠りについた。
そのとき、半分寝て半分起きているような体感になった。身体がギチッと固くなる感覚がして次の瞬間、私のお腹に人が馬乗りに乗っている姿が見えた。
「起きて起きて起きて!!」と心の中で唱えると、馬乗りになっている人の手が私の首に当てられて、黒い影のような顔がグッと近付いてきた。
そこでハッと目覚めた。ハッとしたがまたしても意識が遠くなり、次はその人が枕元を歩いているイメージが浮かんできた。
そしてまた目覚めたが、これらが本当に起きた出来事だったのか、ただの夢だったのか、よくわからない。きっと夢だったと思うが、かなりリアルな夢だったので、私はすっかり震え上がってしまった。

冷房をかけているのに全身が汗でビッショリと濡れていた。布団から身体を出したいが、怖すぎて布団から出ることができない。
時刻は深夜1時。夜はまだまだこれからだ。
私は気を紛らわすためにYouTubeでラジオを聞いた。ラジオを耳元に置いて、全神経を耳に集中させる。私はラジオを聴きながら寝て起きてを繰り返した。ひたすら夜が明けるのをじっと待っていた。

目が覚めると朝9時であった。
すっかり明るくなった部屋を見渡して、私は「こんなにも朝が待ち遠しかったことは初めてだ」と安堵した。
汗をかいたので温泉に入りたかったが、温泉が閉まる時間が近付いていたので、私はノロノロと帰る支度をすることにした。
朝ごはんのバイキングも食べ損ねたが「まあ、いっか」と思った。


フロントでチェックアウトを済ませて、私は飛び出すようにホテルを背にして歩き出した。
念のために書いておくが、旅館の方々はしっかりとした接客で好印象だった。悪い旅館では全くない。ただ、私には合わなかっただけだ。
旅館にも相性ってあるんだね。


駅についたので電車が来るのを待ちながら駅弁を食べた。

電車でのんびりと熱海まで向かう。
熱海に着いた頃には14時になっていた。

商店街でちょっとだけ食べ歩き。
写真を撮り忘れたが、アワビの串焼きを食べた。一粒800円の味がした。

お地蔵様かわいい。

行きは新幹線だったが、帰りは電車で帰ることにした。小説を読んだりブログを書きながら電車に揺られて、17時に地元の駅に到着。
こうして私の旅は終わりを告げた。

来年は県外に旅に出るぞ。
あと旅館は少し高くても気に入った旅館に泊まろうと思った。泊まる旅館は本当に大切。

明日からは通常の日常ブログになります。
お付き合いいただきまして、ありがとうございました。
ではまた。

ブログランキング・にほんブログ村へ