米粒のような独り言

アラサーオタク女性の独り言です。文章とお絵描きが好きです。おにぎりボウズくんというオリジナルキャラクターを描いて楽しんでいます。※無断転載などご遠慮ください。

手術の続き

こんばんは、おにぎり成です。

昨日の続きです。

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私の祈りが届いたのか、検査結果は30分ほどで出た。1時間の放置を覚悟していたので、思ったより早くて助かった。陰性結果という手術切符を手にした私は、看護師さんに手術室まで案内してもらった。

手術の前に着替え室に寄って手術衣に着替えた。すかすかの手術衣は風通しが良くて少し冷える。「寒くない?大丈夫?」と看護師さんが心配してくれた。優しい…。

初めて入った手術室は想像以上に広かった。部屋の隅々には機材やモニターなどがあり、だだっ広い部屋の中心には手術台が置かれていた。眩しいほどに明るい照明は、まるでスポットライトのように手術台を照らしている。

「ドラマでよく見るやつだ…!」と手のひらを返したように一瞬で気分が高揚した。浮き足立つように一歩ずつ手術台に近付いていく。

手術台はふかふかしていて、ヒーターがついているのか、ほんわりと温かかった。体はふわふわとした毛布で包まれる。寝心地抜群だった。

手術室には担当の先生と研修医らしき若者と看護師さんが2人いた。手術台に横になる私を全員が囲む。まるで囚われた宇宙人の気分だ。

腕にバンドのようなものを巻かれたあと、さっそく局所麻酔を打たれた。打たれる前に「痛いですか?」と先生に聞くと「痛いです」と真顔で返された。ビビる私の体を看護師さんは「大丈夫だからね」と言いながら擦ってくれた。優しい…。

首に麻酔を打たれているときも、グッと我慢する私に「痛いよね、大丈夫だからね」と声をかけてくれた。優しい…。

首の麻酔は2回で終わったが、脇の粉瘤は100円玉くらいの大きさなので、麻酔をたくさん打った。その間も看護師さんは「もうすぐ痛いのは終わるからね」と優しい声かけをしてくれたが、先生は「まだ打ちますからね。もう少し痛いのは続きますからね」と看護師さんの優しさを打ち消すような痛みの宣告をしてきた。なに?Sなの?

やっと麻酔が打ち終わると看護師さんは「頑張ったね!えらい!」と褒めてくれた。優しすぎて泣きそう…。

 

麻酔が効いてきたので切開に入る。「痛いですか?」と先生に聞くと「痛くないですよ」と言われた。「ならば良し」というように、先生に向かって小さく頷いた。我ながら鬱陶しい患者である。

今回の手術内容は首と脇にできた粉瘤の切除だ。ふたつとも右側にできているので、右腕を上げて左を向くように言われた。左を向くと、顔にふわりと軽いビニールシートをかけられた。

「ちょっと怖いかも…」と不安に思っていると看護師さんがビニールシートを持ち上げて「見えなくなるけどここにいるからね、大丈夫だからね」と声をかけてくれた。天使…?

切開中は何の感覚も感じなかった。看護師さんがちょくちょくビニールシートを持ち上げて様子を確認してくれたが、その度に余裕の笑みを見せることができた。先生も余裕なのか、研修医らしき若者に「○○くんは何でこの科を選んだの?」と雑談まで始めた。私はどんな感情でこの場にいれば良いのだろうと思った。

 

切り取られている感覚はなかったが、縫われている感覚はあったので気持ち悪かった。「もうすぐ終わるからね」と看護師さんが持ち上げたビニールシートの隙間から声をかけてくれた。私はあなたの優しさに救われたよ…。

「はい、お疲れ様でした」という事務的な声が手術の終わりを告げた。テープで固定されたビニールシートがビリビリと剥ぎ取られて、明るい天井が視界に飛び込んできた。

「痛くなかったでしょ?」とニヤリと笑う先生に「痛くなかったです」照れ臭そうに答えた。「切除した粉瘤を見てみますか?」と聞かれたので思い切って見ることにした。

首の粉瘤はでかいビーズのような大きさで、脇の粉瘤は50円玉くらいの大きさだった。赤い肉の塊のようなものが、液体が入っている瓶のなかでそれぞれ沈んでいる。理科室にありそう。

 

お礼を伝えて看護師さんと2人で部屋を出た。ふらふらと歩く私の体を支えながら隣を歩いてくれる看護師さん。

どの看護師さんもさっぱりとした口調でクールな印象を与える人達だったが、優しさと気遣いが神様レベルで眩しかった。この緊張状態は看護師さんがいないと乗り越えられなかったと思う。

思えば胃カメラと大腸カメラの検査をしたときも、母が亡くなったときも、看護師さんには本当に良くしてもらった。全国の医療従事者の方に、心からの尊敬と感謝の気持ちを送りたい。

 

着替えて看護師さんに今後の案内をしてもらってから1階に降りた。1階でお会計をしようとすると、システムエラーのため1週間後の抜糸のときに支払うことになった。

疲労困憊の状態で家に帰った。麻酔が切れたのか、傷が痛んだのですぐに痛み止めを飲んだ。

昨日も今日も筋トレとストレッチをしていない。脇の傷が開きそうで怖いからだ。明日はできると良いな。

 

と、書いて寝てしまった。今日も少し痛いので筋トレは明日から始めることにする。

長々とすみませんでした。ではまた。

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