米粒のような独り言

アラサーオタク女性の独り言です。文章とお絵描きが好きです。おにぎりボウズくんというオリジナルキャラクターを描いて楽しんでいます。※無断転載などご遠慮ください。

ちょっとした思い出

こんばんは、おにぎり成です。
ミッドナイトスワン…。


今朝から気持ちが沈んでいた。理由は昨晩Netflixで「ミッドナイトスワン」を観終わったからだ。
2時間ちょっとの映画なので数回に分けて観ていたのだが、それを昨晩観終わった私はどうしようもないほど切なくて、だけどそれを文章にすることもできないまま、モヤモヤしながら寝た夜だった。そんな感じだったから、朝を迎えても私の心はミッドナイトスワンに捕らわれていた。

ニューハーフショークラブで働くトランスジェンダーの凪沙を演じる草彅剛さんの演技が素晴らしかった。
「あたし、子ども嫌いだから」と吐き捨てた凪沙が、育児放棄にあっていた親戚の一果を預かることになって、徐々に母性が芽生えていく。
一果に料理を作る凪沙。バレエの先生に「お母さん」と言われて喜びを隠せない凪沙。一果を見つめる瞳が少しずつ柔らかくなっていく凪沙。
どの凪沙も愛しくて優しくて。物語が進んでいくなかで凪沙のことがどんどん好きになっていく。だからこそ凪沙の人生が痛々しくて悲しくて、物語の終わりには喪失感に苦しめられる。
一果演じる服部樹咲さんもすごかった。語彙力がなくて申し訳ないが、すごいとしか言いようがない。
一果に出会わなければ凪沙の最後は違うものになっていたのかな。でも凪沙に出会わなければ一果はきっといつかりんのようになっていただろうな。
トレンチコートに赤いハイヒールを履いて堂々と歩く一果が救いだった。凪沙の存在証明のために一果は前に進んでいくのだろう。

この気持ちは「エレファントマン」を観終わったときの気持ちに似ている。私は主人公のジョンの心情は誰にも理解することができないと思っていて、それは凪沙に対しても同じように感じる。
縋るように求めた希望が絶望に変わった凪沙。それでも終わりには愛を感じて眠りにつく。その最後がエレファントマンに似ていた。
私はエレファントマンのラストはハッピーエンドだと思っている。純粋な善意ではないかもしれないが、人の優しさに触れることができたジョンは希望をもって眠るように終わりを迎えた。
人を救うのは誰かの気まぐれな優しさかもしれない。脆くて儚い出会いかもしれない。それは確実なものではないけれど、誰かを救うことができるのなら一瞬でもいい。

ミッドナイトスワン、良い映画だったな。

エレファントマンも大好きな映画でオススメだ。ちなみにエレファントマンは高校生の頃にオタク活動を通じて知り合った仲間に教えてもらった。
当時は他のオタク仲間たちも含めて彼女とはTwitterで交流をしていたが、私の知らないことをたくさん教えてくれた貴重な人物だった。
オフ会で会った彼女は小柄で美人で意思の強そうな顔をしていて、私はひそかに憧れを抱いた。こんなお姉さんがいたら楽しかっただろうな~とも思っていた。
ちなみのちなみにドロヘドロも彼女から教えてもらった。これは言い切れることなのだが、彼女が教えてくれなかったらドロヘドロを読むことは確実になかった。
もう会うことはないが、良い作品と出会わせてくれた重要な人物だったな~と久しぶりにしみじみ彼女のことを思い出した。

今日はそんな1日だった。
ではまた。

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